
周りの人は簡単にあぐらがかけるのに…なんで私は膝がこんなに浮いてしまうんだろ…なんで後ろに倒れそうになるんだろ⁇
日頃、そんな風に思っている方は、いらっしゃいませんか?あぐらをかくと足や足の付け根、腰が痛くてリラックスできない…ヨガをするときにあぐらがかけなくて集中できない…股関節につまりを感じて、動かしにくい…といった声が時々聞かれます。
今回は、あぐらをかくと膝が上がってしまったり不安定で座りずらいという状態について、どのような問題があるのか、心地よくあぐらをかけるようになるためのお話です。
心地よいあぐらは、土台から?
日常であぐらをかくとき、心地よく正しく座るのに1番大切なのは土台の安定です。下半身が安定して座れることで、背骨の伸びや胸の開き、頭が正しい位置に配置され心地よく呼吸ができるという姿勢が作り出されます。

正しいあぐらのかき方
そもそも、正しいあぐらのかき方を知っていますか?いつも、なんとなく足を組んでる方は、一度確認してみましょう。
①両膝を曲げ、踵をからだの方に引き寄せます。右ひざを曲げ、踵をからだの方に引き寄せます。
同じように左ひざを曲げて、踵をからだの方に引き寄せます。(右と左の順番は、逆でもOK)できる方は、右の踵と左の踵がカラダの中心で前後に並ぶようにします。痛みや違和感があれば、中心でなくてもOK!今の自分にできる範囲で行いましょう。
②骨盤を立てて、左右のおしり(坐骨)に均等に体重を乗せます。両方の坐骨に均等に体重が乗っているかどうか確認しましょう。坐骨の上に上半身をのせているようなイメージです。
③鎖骨を横に開き、鎖骨の延長線上に肩がくるようにして背筋を気持ちよく天井の方に伸ばします。

骨盤を立てにくいときは、坐骨の下に畳んだタオルやクッションなどを敷くと安定しますよ〜
あぐらがかけない原因ひとつ目は、筋肉の硬さ
まず一つ目が筋肉の問題です。筋肉などの軟部組織の硬さが原因であぐらがかけなくなっている場合です。あぐらで心地よく安定して座るためには、ある程度股関節まわりの筋肉の柔軟性が必要になると言わざるを得ません。股関節の動きの中でも、曲げる動き(屈曲)と開く動き(外転)、外側に捻る動き(外旋)が硬くなっていると「あぐら」がうまくかけなくなってしまいます。それぞれの動きに関わる筋肉が硬くなっていることで関連する動きが悪くなります。
股関節を曲げる動き(屈曲):ハムストリングス(腿の裏側) 、大殿筋
股関節をひらく動き(外転):内転筋群(内もも)
股関節を外側に捻る動き(外旋):殿筋群、梨状筋(お尻)

股関節まわりの筋肉をストレッチで伸ばし、柔らかくすることであぐらがかきやすくなるかもしれません!
あぐらがかけない原因は、関節や骨格の問題も⁉︎
そして二つ目の原因が関節や骨の形の問題です。実はこの骨の形の問題が見落とされがちです。
太腿の骨と骨盤の接合部分(股関節)は、もともと前から見ると少し『くの字』に曲がっており、さらに上から見ると前にねじれて骨盤とくっついています。この前へのねじれはもともとあるものですが(約10〜15°)通常よりもこのねじれの強い人が(>15°:前捻股)股関節をひらこうとすると、太ももの骨と骨盤が正常な人よりも早い段階でぶつかってしまうので、十分ひらくことが出来ません。
このねじれは、もともと持っている骨格の特徴であるため、骨の形状を治すことは難しいです。女性でよく足を組む人や、割り坐(女の子座りまたは、ペタンコ座りとも呼ばれます)が癖の人は要注意で痛みを伴う場合があります。

では、股関節周りをほぐすストレッチをやってみましょう〜
あぐらの姿勢をとるときに、膝が床の方に下がらなかったり、膝の高さに左右差が出てしまう人は、中臀筋と大臀筋の硬さが原因の一つです。中臀筋はお尻のサイド上部にあり、骨盤のサイドから大転子の外側に付着している筋肉です。中臀筋が硬くなることで、あぐらの際に股関節の外旋にセーブがかかり膝が床から浮きやすくなるのです。

【やり方】
①長座の姿勢から右足を左腿の上にのせて、左足を立てます。
②両手を後ろにつき、胸を上に引き上げます。右側のお尻が伸びるのを確かめながら背中をまっすぐにしていきます。
③お尻の伸びを感じてゆっくり呼吸しましょう。
④反対も同様に行いましょう。

時間は、片側20秒×3回ほどお尻が伸びて気持ち良く伸ばしながら、じっくりストレッチしてね〜
あぐらや開脚を行う際にピキーンとなる太ももの内側にある筋肉をストレッチしていきます。内ももが硬くてあぐらで心地よく座れないという場合、あぐらの姿勢で両膝をぐいぐいと床に押し付けるようなストレッチを行うのはお勧めしません。
まずは心地よく座れる形、片足だけあぐらの形をとり、もう片方は伸ばしておくなどで安定して座れる形をとり、片足ずつストレッチを行っていきます。安定した形で座り呼吸に合わせてストレッチを行うことで、よりストレッチの効果を感じやすくなります。
このストレッチは、同時に肩回り、腰回りと腿の裏側もストレッチできる一石四鳥のストレッチです。呼吸に合わせながら、口からふぅ~と大きく吐きながら行うのがオススメです。

【やり方】
①片脚は伸ばし、もう片方の脚は膝を曲げ、足を伸ばしている方の脚の太ももにつけます。
②息を吸いながら胸を持ち上げるようなイメージで上体を伸ばします。
③息を吐きながら、曲げている足と反対側に体をねじります。体をねじる時、曲げている方の膝を手で外側に押し出すようにします。
④曲げている膝をおさえながら、からだを伸ばしている足側の方向、斜め前に倒していきます。
⑤反対も同様に行いましょう。

上体は、伸ばしている足の方にひねりながら前屈します。イラストは真っ直ぐですが…
四つん這いになって内ももや股関節を伸ばすストレッチです。脚を開いたときに膝に負担がかかると感じる場合は、床にタオルやマットを敷いてください。背中が丸まっていると内ももが伸びにくくなるため、背中を伸ばしながらゆっくりとやってみましょう。

①四つん這いになり、両膝を左右に開きます。(膝の角度は90度ほど)このとき、くるぶしを床につくイメージでつま先も外側に開きましょう。
②お尻を後方に引いていきます。お尻を引くときは、内ももの筋肉が伸びる感覚を意識しましょう。
③息を吸いながらゆっくりとお尻を上げてもどし、息を吐きながらゆっくりとお尻を下げる。数回繰り返したら、四つん這いの姿勢に戻ります。

カエル足ストレッチは、はじめはうまく脚が開かないこともあります。少しずつ自分のペースで行い、無理なく続けることが大切ですよ〜
まとめ
いかがでしたか?人それぞれ、原因となる筋肉の硬さや凝り、痛みの程度は変わってきます。どこの筋肉を伸ばして柔らかくすれば、あぐらが心地よくできるのか?を探っていきながらストレッチを行い、坐骨に体重を均等に乗せるようにして背中をスッと引き上げながらあぐらを組んでみましょう。