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久しぶりの運動で筋肉痛にならない方法と筋肉痛になった時の対処法

2023 9/25

少し涼しくなって何か運動を始めたいな〜と思ってる方は、けっこう多いはず。今年の夏は、本当に暑かったですね。やっと気温が下がり、からだも動かしやすくなったからダイエットもしたい!と頑張りすぎてしまう方は、筋肉痛にご注意を。久しぶりの運動を再開する方は、筋肉痛について参考になさってください。

目次

筋肉痛とは

筋肉痛とは運動に伴って起こる筋肉の痛みです。一般的には、運動が終わった数時間後から翌日~翌々日というように、時間を置いて起こる「遅発性筋痛」が、「筋肉痛」と呼ばれています。慣れない運動を行ったとき、普段使わない筋肉を使いすぎた場合などに顕著に現れます。筋肉痛のメカニズムは、医学的にははっきりと解明されていません。
かつては、運動したときに生じる疲労物質「乳酸」の蓄積が原因だとする説もありましたが、その矛盾点が指摘されていることから、現在は、運動によって傷ついた筋線維を修復しようとするときに起こる痛みであるという説が有力となっています。

筋肉痛とは、修復の時に起こる痛み

久しぶりの運動などで、普段使わない筋肉を突然使ったり、同じ筋肉を使いすぎたりすることで、筋肉を構成している線維(=筋線維)や周りの結合組織に微細な傷がつきます。

すると、損傷した筋線維を修復するために白血球を中心とした血液成分が集まります。このとき「炎症」が起き、刺激物質(ブラジキニン、ヒスタミン、セロトニン、プロスタグランジンなど)が生産され、筋膜を刺激します。それが感覚中枢を介し、痛みとして感じるわけです。つまり筋肉痛とは、傷ついた筋線維を修復する過程で炎症が起き、生成された刺激物質が筋膜を刺激して起こるものと考えられています。

歳をとると筋肉痛が遅く出る?

筋線維そのものには痛みを感じる神経がありません。痛みは、炎症が広がって発痛物質が筋膜に届くようになってから感じるため、時間差があると考えられています。普段からよく動かしている筋肉には、筋肉に血液を送る毛細血管がよく発達しています

一方、あまり使っていない筋肉には、毛細血管が十分に巡らされていません。そのため、急激にその筋肉を動かしても、損傷した筋線維に血液成分が集まるまで時間がかかり、さらに発痛物質が生産されるまで時間がかかるとも考えられています。日頃からよく筋肉を使っている人は、少々筋線維を痛めても修復がすぐに進む=筋肉痛が起こりにくいのかもしれません。

ちなみに、「歳をとると筋肉痛が遅く出る」と言われますが、これも定かではありません。同じ運動をした後の筋肉痛の出方に年齢による時間差は認められなかったとする調査報告もみられています。

筋肉痛になりやすい運動とは?

私たちは運動するとき、筋肉を伸び縮みさせて(収縮)力を発揮しています。この筋肉の収縮運動は、以下の3種類に分けられます。

◉伸びながら力を発揮するエキセントリック(伸張性)運動 :重い荷物を下ろす、階段を下りるなど

◉縮みながら力を発揮するコンセントリック(短縮性)運動 :重い荷物を持ち上げる、階段を上るなど

◉伸縮なく力を発揮するアイソメトリック(等尺性)運動 :腕相撲など

このように分けられます。このうち、特に筋肉痛になりやすいのがエキセントリック運動です。筋肉を伸ばすときのほうが筋線維への負荷が大きくなるため、損傷が起こりやすくなるからです。階段を下りるとき、坂道を下りるとき、重いものを下ろすときなどは、ゆっくりとした動作を心がけたいものです。

筋肉痛は、さらに強い筋肉を作ろうとしている状態

運動によって裂けた部分を筋肉が修復すると、その部分は以前よりも強くなります。運動によって体が反応し、より多くの繊維を筋肉にため込むことで、さらに強い筋肉を作ろうとします。新たな運動習慣として初めて筋肉を使ったときや、久々のエクササイズのあとに感じる痛みは、最長で72時間ほど続くこともあります。

しかし、再び同じ運動をすると、その痛みは和らいでくるでしょう。これは反復効果と呼ばれる現象です。筋肉は数日で適応するので、前回ほどの痛みを感じなくなります。筋肉は、同じ程度の損傷を受けないように自身を素早く守ることが非常に得意なのです。

筋肉痛にならないためには、プランを立てること

久しぶりに運動をやりすぎないようにするには、自分の体力や健康状態に合わせたプランをつくる必要があります。少し頑張る程度の現実的な段階から徐々に慣らしていき、自分に合った運動習慣を身につけるようにします。

日頃から体を動かす習慣をつける

普段良く動かす筋肉は毛細血管が発達し血流も十分ありますが、あまり使わない筋肉では毛細血管が十分に張り巡らされておらず、血流が滞ってしまいます。そこで毛細血管を発達させ血流を良くしておくためには、体全体の筋肉を動かす「有酸素運動」がおすすめです。

有酸素運動とは、筋肉を動かすエネルギー源として体脂肪と酸素が使われる、比較的負荷の軽い運動のことです。ウォーキングやジョギング、サイクリングなどが有酸素運動に該当します。

日頃から有酸素運動で血流を促しておくことは、筋肉に必要な酸素や栄養素の供給がスムーズに行われることからも筋肉痛の予防につながるといえそうですね。

また、筋線維を太く発達させることも筋肉痛の予防につながります。そのためには筋力トレーニングをはじめとした「レジスタンス運動」を取り入れると良いでしょう。

レジスタンス運動とは、筋肉に負荷をかける動きを繰り返す運動のことをいいます。スクワットや腕立て伏せ、ダンベルを使った運動などがレジスタンス運動に該当します。

運動前後に準備運動・クールダウンを行う

筋肉痛の予防のためには、運動前にストレッチや体操などの準備運動が効果的です。準備運動によって筋肉の柔軟性が高まると、血流が良くなり筋肉痛の予防はもちろん、けがの予防にもつながります。また、急に運動を止めてしまうと血流が悪くなってしまうため、運動後にもストレッチやウォーキングなどでクールダウンを行いましょう。

筋肉痛の対症法⇒ ひどい痛みがおさまったら温める

トレーニングが原因の筋肉痛は、セルフケアで痛みを緩和できるケースがほとんどです。急性期の痛みがひどい場合は、筋繊維がダメージを受けて炎症を起こしている状態なので、更に動かしすぎず様子をみます。

ひどい痛みが治まってきたら、必要な酸素や栄養を取り込めるように、筋肉組織の血流を促しましょう。38〜40度のぬるま湯にゆっくりつかって軽くマッサージしたり、伸ばしたりしながらからだ全体を温めると、血行促進に効果的です。お風呂上がりには、無理のない範囲でストレッチを行いましょう。血行がよくなることで、筋肉痛が和らぎ、疲労回復にもつながります。

筋肉痛の対症法⇒ バランスの良い食事と適度な休養をとる

筋線維を傷つきにくくすることも、筋肉痛を予防するための対策であるといえるでしょう。傷つきにくい太い筋線維を作るためには、栄養バランスの良い食事が重要です。中でもエネルギー源や筋肉を作る材料となるたんぱく質、たんぱく質の構成成分であるアミノ酸の代謝を助けるビタミンB6などは意識して摂取すると良いでしょう。

また、適度な休養で筋肉の疲労を回復させることも筋線維の発達につながるため、筋肉痛の予防になります。筋肉を激しく動かした日や慣れない運動をした日は、疲労回復のために十分な睡眠をとることも大切です。心身をリラックスさせて、早めの就寝を心がけましょう。

つらい筋肉痛の症状を緩和させるポイント

ポイント1  熱を持っている場合は、様子を見る

ポイント2  ぬるめのお湯(38〜40度)に浸かる

ポイント3  ストレッチや軽い運動を行う

ポイント4  十分な睡眠をとる

ポイント5  たんぱく質やビタミンB群をしっかりと摂る

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